サワカミネコ

誰も通らない山奥の、雪解けの川の上流の方で、背筋をぴんと伸ばして、川の流れが下る方に、じっと眺めているネコがいた。

そのネコは明るい茶色とグレーのしましま模様で昔は近くにぽつんとある民家の一軒家でおじいさんと、おばあさんに可愛がられていたかのような、上品なふるまいをしていた。

ネコは時折精霊のように踊り出す雪解け後の枯れまじった草が揺れる、その一瞬をみるためだけに、ずっとその一瞬を探して遊んでいるかのようであった。