時を超える声

不意に10年前に止まったままの記憶が動き出すことがある。その声はずっと呼びかけていたのだ。いのちが続くために必要な要素とはなんなのか。

一度止まってしまった歯車も、何かのきっかけで動き出すことがある。

時を止めていたなにかを再び動き出させる力を持つ場所がある。

私たちが気づかないうちに、その力は人をうごかしている。

新幹線で生まれた病院の近くを通り過ぎる時、眠っていた記憶が蘇ることがある。

タクシーで中学校の帰り道をたまたま移動するだけで、止まっていたものが動き出すことはある。

なぜなにもなかった場所に街ができるのか?

なぜなにもなかった場所に世界に一つしかない火力発電所ができるのか?

一度も会ったことがなくても、声が通じあっていることだってあるのだ。