忘れかけられている声がある。 体は消え去っても、小さな命は消えたことに気付いていないかもしれない。 ときおり誰かの体を借りて、その命が顔を出す。 自由を失った魂は、自由に動きまわる。姿かたちをかえ、い …
おたまじゃくし
出会いはいきものだということ。 気づかれるのをずっとまっている。 まずは止めること。 そしてライスのカレーをねらわないこと。 泳いでいる音が聞こえてくるまで。
勝負
人生は勝者には甘く、敗者には厳しい。 勝て。必ず勝て。 競争で勝つのではなく、競争せずに勝て。 まるで水が山の上から海まで落ちてくるかのように、勝利のオアシスに居座れ。 勝者が捨てることを敗者は拾い …
サーチライト
寝る前にそっと深呼吸し、鼓動を聴きながら、頭の中心の方をさぐってみる。そこには止まった記憶や、滞った感情がおきざりにされているかもしれない。 外の世界とフィルターをかけてしまったひとつひとつの壁を丁寧 …
体は天然の抱っこ紐である
そのことが腑に落ちれば、あらゆるものが手に入るだろう
鍵はどこに行った
ホテルのルームキーがどこにいったと思ったら、誰かがもっていた。 ビルのエントランスキーを出さなくても自動ドアが開く 出会ったことがないものであっても、鍵さえ持っていれば、道は開くのかもしれない 西から …
リスクマネジメント
体調がよいときにつくる想定計画は穴だらけになる。 自信は武器であるが、怪我の原因にもなるもろ刃の剣だ。
ソフトタッチ
その人はどこかいつも寂しそうであった。 寂しそうな状態がむしろ楽しそうであった。 まるで自分の筋肉のあちこちとつねに対話しているかのように、自分の世界で完結した感覚を楽しんでいるのであった。 山の頂上 …
Letters
なぜそれが好きだったのか、その理由が全く思え出せない。音が、メロディが、とにかく記憶のトリガーになっている。 もしかしたら過去の記憶なのかもしれないが、ひょっとしたら未来の記憶なのかもしれない。 記憶 …
Another
水の中に潜っていた。 長い間、とても苦しくて、我慢できず、常に肺がまったく機能していないかのような、もがいてももがいても水を指でかくのみで、この苦しさがいつから続いていたのか、忘れてしまうくらいだった …