正しい歩き方を模索する
地球の中心から、天頂高くまで、軸がすっと通っているとかっこいいですよね。
歩行というものは、かかとから爪先までまっすぐ歩けば綺麗に歩けるわけではなく、足の外側で歩く意識のほうがうまくいくようです。
あおり足歩きとは?
あおり足歩きは、足の裏を煽るように使う歩き方です。
図で示すとわかりやすいです。
①かかとの中心より若干外側で着地し
②足の外側で踏み込み
③外から内に力を逃がしながら
④最後親指人差し指中指で地面をリリースする
あおり足歩きは①~④のような歩き方です。
正しい歩き方を求めすぎて、本来の自然な動きを忘れていませんか?
姿勢を正そう!ちゃんと歩こう!と力んでしまい、こんな歩き方になっている方はいませんか?
この歩き方だと、体が凝って、足の血行も悪くなり、足がむくむと思います。
頭で考える正しい歩き方と、体が本来持つ自然な動きというのはまったく違うんですね。
直線的なイメージではなく、流れるようなイメージで歩いてみてください。
足の骨と筋肉を知る
歩く際に使う骨や筋肉をちゃんと知っていれば、なぜあおり足のような歩き方になるのかがわかると思います。
足の骨
まずは足の骨がどうなっているのかを見ていきましょう。
この図は右足を横から見た図と、足の裏から見た図です。
ご覧の通り、足の裏に隙間があるのがわかりますか?
赤い丸で囲んだ空洞のエリアが、土踏まずを作っています。
このエリアが身体構造上、空いていることによって、カカトの外側から歩行が始まるのです。
片足はいくつの骨でできている?
片足は、いくつの骨でできているか知っていますか?
あまり考えたことがないかと思いますが、足は片方26個ずつの骨でできています。
上図は右足を上から見た図です。
上から順に
14個の趾骨(しこつ)
・末節骨(まつせつこつ)×5
・中節骨(ちゅうせつこつ)×4
・基節骨(きせつこつ)×5
5個の中足骨(ちゅうそくこつ)
中即骨は親指から小指で5つです。
7個の足根骨(そっこんこつ)
・内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)
・中間楔状骨(ちゅうかんけつじょうこつ)
・外側楔状骨(がいそくけつじょうこつ)
・舟状骨(しゅうじょうこつ)
・立方骨(りっぽうこつ)
・距骨(きょこつ)
・踵骨(しょうこつ)
片足は28個の骨で構成されている
14個の趾骨、5個の中足骨、7個の足根骨。
以上を合わせてあわせて26個です。
親指の付け根の2つの種子骨(しゅしこつ)を含めれば、28個です。
脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)
足根骨の上には脛骨と腓骨があります。
これは足をおなか側から見た図ですが、内側が脛骨、外側が腓骨です。
脛骨が太く、腓骨は細いです。
片足の骨は合わせて32個
これに膝蓋骨と大腿骨を含めて、足の骨は左右32本ずつあります。
この図は右足をおなか側から見た図です。
足の骨が左右32本ずつあるということは、
両足合わせて64個の骨があるということです。
体全体の骨は約200個なので、体全体の約3分の1の骨が足にあるということですね☆
歩くときに使う筋肉
次に歩くときに用いる筋肉に関して見ていきます。
底背屈運動に使う筋肉
足首を曲げたり伸ばしたりする動きを底背屈運動といいます。
この運動に使う筋肉が以下の筋肉です。
長趾屈筋(ちょうしくっきん)
後脛骨筋(こうけいこつきん)
長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
それぞれを意識しながら、足首を動かせますか?
足の筋肉はいくつある?
筋肉は細かく分解すれば数が増えるので、数え方は難しいですが、
Wikipediaによると足の筋肉は片側54個ずつ、左右で108個あります。
全身に約600ある筋肉のうち、約18%が足の筋肉ということですね。
足の筋肉一覧
細かく見ていくときりがないので、メジャーな筋肉だけ紹介しておきます。
ハムストリングスやヒラメ筋はなじみのある方も多いのではないでしょうか?
内転筋群や腸腰筋は衰えている人が多い筋肉です。
内転筋群や腸腰筋をうまく使って歩けば、足はむくまず、O脚やX脚も矯正されていきますよ。
上手に歩くためには上半身の柔軟性も必要
実は上手に歩くためには上半身の柔らかさも重要です。
肋骨周りの筋肉が柔らかいことによって、歩いたり走ったりする際の体への衝撃が吸収され、疲れがたまらない歩き方が実現します。
片脚着地時における胸郭柔軟性と衝撃吸収能の関係性ー福岡リハビリテーション専門学校理学療法学科
全組織を総動員して、「歩こう!」
歩くときには脚だけではなく、股関節周りや、腰周り、はたまた、肋骨や腕の筋肉も使います。
歩くという動きは全身200の骨と、600の筋肉を総動員して行う、壮大な試みなんですね