イイ声を出すために喉を開きましょう。
喉を開くとは?
喉を開くという表現はよく聞きますが、どのようなことか定義されていないように思います。
僕の個人的な身体感覚で説明すると、喉を開くとは、下の三つになるかと思います。
①軟口蓋を自由に動かす(茶色部分)
②上咽頭の咽頭扁桃を自由に動かす(緑色部分)
③下咽頭において、食道と気管をしっかり区別して、気管を開く(青色部分)
①軟口蓋を自由に動かす(茶色部分)
軟口蓋は上あごの骨についています。上あごを自由に動かすためには、下あごの骨がフリーになっていなければなりません。
したがって、咬筋群を緩める必要があります。
咬筋群は、表面では咬筋、深層咬筋、側頭筋
深部では内側翼突筋、外側翼突筋があります。
これらの筋肉の緊張をとることで、上あごと下あごの緊張が取れて、
結果的に軟口蓋が自由に動くようになります。
②上咽頭の咽頭扁桃周辺を自由に動かす(緑色部分)
つまり、鼻の奥、喉の上という場所です。
骨で言うと、蝶形骨と、後頭骨と、頚椎一番の関節です。
蝶形骨
後頭骨
環椎(第一頚椎)
つまり、「上咽頭を開きたい」なら、
「環椎後頭関節と、蝶形後頭底結合を自在に動かす」ことができればよいです。
環椎後頭関節
環椎後頭関節はここにあります。
この関節をフリーにするためには、周辺の後頭下筋群のつき方を体感で覚える必要があります。
蝶形後頭底結合
蝶形後頭底結合は、蝶形骨と後頭骨の関節です。
この部分も動かせるようになります。
ここが動かせるようになると、視床下部や下垂体周辺の血行が改善するので、
自律神経やホルモンバランスの正常化に役立ちます。
あと、蝶形骨を動かせるようになるということでもあります。
蝶形骨が動くと、眼の周りの筋肉の緊張が取れるので、眼の血行がよくなります。
場合によっては視力が回復します。
②上咽頭の咽頭扁桃周辺を自由に動かす(緑色部分)のまとめ
上咽頭の咽頭扁桃周辺を自由に動かす(緑色部分)ためには、
蝶形骨、後頭骨、第一頚椎の微妙な内部感覚をマスターする必要があるということでした。
③下咽頭において、食道と気管をしっかり区別して、気管を開く(青色部分)
最後に、気管と食道の区別。青色部分。
これをうまく行うためには、手で気管を挟んでみるとよいです。
喉の手前が気管、奥が食道なので、食道を手で挟むようにすると、
丸い気管が触れるはずです。
声を出すときに、この丸い気管をつぶさずに、形を保ったまま出すとよく響きます。
頚椎のアーチを整える
気管をつぶさずに声をだすために必要なことは、頚椎のアーチをきれいに描くことです。
左の首の状態はストレートネック、右の首の状態が正常な状態です。
内部意識としては、頚椎3番4番あたりを前に押し出して、
頚椎一番と七番で後ろに引いている拮抗感覚になります。
これでストレートネックにならずに、綺麗な頚椎のアーチを描けるわけです。
まとめ 喉を開くとは?
というわけで、長くなりましたが、喉を開くということを見てきました。
①軟口蓋を自由に動かす(茶色部分)
⇒咬筋群を緩めて、上顎骨と下顎骨をフリーにする
②上咽頭の咽頭扁桃を自由に動かす(緑色部分)
⇒蝶形骨、後頭骨、頚椎1番の関節の身体感覚をつける
③下咽頭において、食道と気管をしっかり区別して、気管を開く(青色部分)
⇒頚椎のアーチを作る
でした!