まぶたの裏のコミュニケーション

小学校に入ったときの寝室は、弟たちとの遊び場だった。

皆が寝静まったあと、目を閉じて見える赤い点々を眺めていた。

赤い点々は無数に数が増え、くるくる回り出し、そして沢山の丸ができ、全体でくるくるになりきってから、またひとつの点に戻る。

夏の暑い日に蝉の鳴き声がする中、ぼーっと天井と風鈴と空を眺めているような、そんな寝方のときもある。

あるいは、心地よい匂いの中、温もりのなかに揺られながら両手を握りしめて寝るときもある。

眠っているときは真に自然なコミュニケーションを行なっているかもしれない。

寝ていても会話に答える人がいるし、寝ていても反応することがたくさんある。

目が開いているときはいじけている人も、寝ているときはすべての眠りを思い出している。

安心と繁栄の思い出。

コミュニケーションは止まらない。