無言の号令

一匹のおさるさんが激しく泣いている。

となりにいるお猿さんはこちらに目線を合わせる。

わたしは無言のお猿さんと目が合い、そして、そのお猿さんは訴えかけてくる。

そうすると、周りにいた七匹のお猿さんが一斉にこちらを振り向く。

小さなお猿さんたちはだれについていくかを本能的に知っている。

声をあげている人は目立つが、無言のお猿さんは動かしている。

それはまるで、草を食べていたしまうまが一斉に顔をあげて草原を見渡すかのような。

無言の意はなぜ発令されたのだろうか。

泣き始めのファーストお猿はきっと、みんなの悩みを代弁し、そして無言のお猿は解決者を見つけたのかもしれない。