赤二才

消防車が大好きな少年は赤いミートスパゲティを残した。

彼には周りの人が求めていることが手に取るようにわかった。

目の前にいる人が意図していることと違った動きをしている時に、その人の本当の願望が実現しないことを察知できる彼は、その状況に共感し、体が苦しくなった。

どうすればいいかを知っている彼は、一生懸命車を動かしてそれを伝えようとした。知っている言葉で、ほそぼそと、呼吸をまるで言いたいことと同調させるかのように、その場にうずくまってただそのことを伝えようとしていた。

自分の言いたいことは実は相手が知りたいことであり、相手の願望が、自分の願望だった。

しかし彼にはそのことを相手に気付かせるのに十分な表現方法を獲得していなかった。

彼はただひたすら、液晶の中の赤い消防車を見つめるしかなかったのだ。

そのか細い首の周りには、もどかしさにも似たかたまりがへばりついてしまった。

過激ないたずらは彼の心を一瞬だけでも癒してくれるだろう。

三つ子の魂、百まで。

しかし、彼は天の寵愛を授かっている。

士別れて三日なれば刮目して相待すべし。