勝ち癖って気分がよいですよね。
負け癖がついてしまうとあまりいい気分ではないですね。
勝ち癖をつける方法はあると思います。
勝ち癖をつけるのに必要なことは、勝とうとしないこと。
逆説的ですが、勝負している時点で負けです。
勝ち癖とは、自分のテリトリーを作り、自分のペースを作り、そこから外に出ないということです。
まさにテニスの王子様の手塚部長の必殺技「手塚ゾーン」です。
僕はある日テニスをしているとき気づいてしまいました。
「テニスというスポーツは相手と球を打ち合っているように見えて、
ただ単にコマのように一人で回り続けているだけだ」
ということに。
すると、ストラックアウトも、
「自分はピッチャーマウンドの上でまわっているだけだ」
ターゲットを狙っているように見えて、手からリリースされたあとはすでに自分のゾーンの外だということに気づきました。
他人との会話も、
「相手にしゃべっているように見えて、実は自分自身に対してしゃべっているだけだ」
そして、ブログも、相手に書いているように見えて、
「自分自身に対して文章を書いているだけだ」
誰かに対して文句や不満を言いたいときは、「自分自身に対して文句や不満がある」だけだ。
結局すべてのことは究極の独り相撲であり、
自分のなかにすべての起承転結があるということに気づいてしまったのです。
そのときから僕は勝ち癖のある人に変わりました。
「なんとなくうまくいく」
というか、うまくいかないことはやらない
という状態です。
この状況を人生の早い段階で作れたことは幸運でした。
たしか25歳くらいのことだったと思います。
ここでポイントなのは、自分のゾーンを作るということは、
他人のゾーンを侵さないということと同義でもあります。
自分のテリトリーを守るためには、相手のテリトリーを侵害しないという癖が必要です。
習慣はここぞというときに行動に移されてしまうので、他人のスペースに入り込んでしまう癖がある人は自分のゾーンを守ることは出来ません。
これは人間関係にも、スポーツにも、経営にも言えます。
人間関係でいえば、相手の中に入らないこと。
相手と話しているとすぐ相手のことが気になりますね。
気になった瞬間相手の中にはいってしまっています。
この人と仲良くしたい、役に立ちたい、助けたい、近づきたい、褒められたい・・・
すでに相手のゾーンに入ってしまっています。
相手のペースになってはいけません。
呼吸も、鼓動も、体の動きも放っておくと自然に相手に合わせようとしますが、それでは相手のペースになります。
自分のペースを守る必要があります。
スポーツ(体の使い方)で言えば、例えば街中で歩くときに、人の進行方向に割って入らないこと。
電車内や駅の通路でも同様です。
相手の間合いが見極められない人は自分の間合いを見極めることができません。
相手のゾーンを見極めることが、自分のゾーン感覚を高めるコツです。
経営においても同じ。
特に経営者は社員のゾーンを侵害してはいけない。
持ち場を間違えてはいけないということです。
社員を成長させたい、生産性を上げたい、会社の売上を増やしたい、取引先を増やしたい・・・
そう考えた時点でもう相手のゾーンに踏み込んでしまっています。
相手の仕事までとってしまったり、ほかに適任者がいるのに欲張って自分の仕事を増やすのはもってのほかです。
これでは勝ち癖はつきません。
動物は、他の動物のテリトリーをむやみやたらに侵害しないものですが、
人間にとってテリトリーを確立するということは簡単なようで難しい話です。
ものごとをうまく運ぼうとすると、
自分のゾーンを守る必要があります。
どうやって勝とうか?と考えている時点で勝負あり(負け)です。
勝負とは別次元で考える必要があります。
完全に自分のペースの、勝ちしか存在しない世界。
遊戯王で言えば、常に「俺のターン!」
下剋上で名を馳せ、”魔王”と称され恐れられた織田信長も、武田信玄には一切手を出さなかったといいます。
勝ち続ける人は、天敵をもわきまえているのです。
真の勝ち癖はゾーンを死守することで生まれる!